11月18日19時43分配信 毎日新聞
【パリ福井聡】年金制度改革に反対するフランス国鉄など公共交通機関のストは18日、大半の労組が政府・会社側の提案を受け入れず6日目に突入した。20日からは学校や病院などの公務員労組が別のストを準備しており、突入した場合、国民生活の混乱はさらに大きくなる。スト回避に向けた交渉は19日がヤマ場となりそうだ。
年金制度改革は「勤続37.5年」で年金受給資格を得る公共企業職員の現行制度を、一般企業並みの「勤続40年」に繰り延べるもの。政府・会社側はその代わりに、退職前の給与を引き上げる妥協案を示したが、労組側は17日「会社側の提案は不十分だ」として、穏健派の一部労組を除き大半がスト続行を支持した。
サルコジ大統領は「ストを実施しながらの交渉には応じられない」と、ストの中止を交渉の前提条件としている。国民の間では今回のストに批判的な見方が強く、労組側は20日からの公務員労組のスト合流を前に、妥協点を探っている。
同国のフィガロ紙によると、今回のストによる仏経済の損失は1日当たり4億ユーロ(約650億円)に上るという。