大英博物館で開催中の「中国最初の皇帝と兵馬俑(へいばよう)」展で14日、地球温暖化につながる温室効果ガスの最大排出国とされる中国に抗議して、49歳の父親が兵士の素焼き人形2体にマスクをかぶせる“事件”があった。
同展では兵馬俑が間近で見学できるよう展示されているが、娘2人を連れたこの父親は柵を乗り越え、「二酸化炭素(CO2)排出 汚染源」と書いたマスクを兵士人形にかけた。父親は警備員に引きずり出され、終生、同博物館への立ち入りを禁じられた。展示品に損傷はなかった。
父親は夕刊紙イブニング・スタンダードなどに「世界の中でも特に中国の地球温暖化対策が遅れていることを訴えたかった」と話している。
オランダの研究機関「オランダ環境評価機関」は6月、昨年の中国のCO2排出量が初めて米国を抜き、世界一になったとの推計を発表している。同展は来年4月6日まで。事件をきっかけに警備は強化された。
10月16日9時32分配信 産経新聞