湾曲するアーレ川に囲まれた土地をいかして1191年ツェーリンゲン公ベルヒトルト5世によって造られた町がはじまり。
13世紀から自由都市となりさらに発展していった美しい旧市街は、1983年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
大聖堂や13世紀の城門につくられた時計塔、彫像が美しい泉(水飲み場)が点在する町並みを残す一方で、スイス連邦の首都として便利な近代都市の機能も兼ね備えています。
質の高い美術館や博物館も多く、ヨーロッパ最長ともいわれる石造りのアーケードや地下のケラー(貯蔵庫)など個性的な店が集まるショッピング天国でもあります。
広場で定期的に開かれる市場ものぞいてみましょう。
また、公園や庭園が多く自然豊かなベルンでは、四季折々に異なる雰囲気を味わうことができるのも魅力です。
ジュネーブ
レマン湖畔の美しい都市。
人口18万の親しみやすい小規模な町でありながら、国際的に重要な機関が集結していることから、世界一小さな大都市ともいわれています。
ローマ時代の要所、宗教改革の中心地、時計産業の聖地、国連や赤十字発祥の地など、長い歴史の中で常に重要な役割を果たしてきた町。
文化レベルが高く、個性的な美術館や博物館、史跡、名所が豊富にそろっています。
ショッピング、芸術、歴史、文化、イベント、グルメなど、あらゆる要素を兼ね備えた観光地といえるでしょう。
また、周辺に広がる田園地方やフランスやスイスの人気観光地への多彩なエクスカーションが楽しめるのも魅力のひとつです。
チューリッヒ
国際空港があるスイスの玄関口チューリッヒ。
他の都市とのアクセスもよく旅の拠点として理想的な町です。
経済の中心を担う都市でありながら、中世の建物が並ぶ小さな町の魅力も兼ね備えています。
ローマ時代から栄えてきた歴史を誇り名所史跡も数多く点在していますが、スタイリッシュなホテルやレストランやカフェ、クラブが続々とオープンする流行発信地でもあります。
美術館や劇場などの文化施設も多く、スポーツや音楽、芸術など、多彩なイベントがいつも開催されています。
ローザンヌ
ローマ時代から栄えた歴史を誇るエレガントな古都。
国際オリンピック委員会とオリンピック・ミュージアムがあるため、オリンピックシティとも呼ばれています。
工科大学や音楽学校、ホテル学校、美術学校があり、バレエや劇、音楽など芸術活動も盛んな文化都市で、個性的な美術館や博物館も数多く点在しています。
レマン湖北岸の中央に位置し、ジュネーヴ、ベルン、チューリヒ方面を結ぶ幹線上で、交通の便が良いのも魅力です。
ヴヴェイ
美しい葡萄畑に囲まれた湖畔の町。
現在は世界的な企業「ネスレ」の本社があることでも知られています。
先史からローマ時代を経て13/14世紀のサヴォイア統治時代に基盤がつくられた町は、中世からワインの産地として栄えてきました。
今も旧市街を中心に、古い路地や15〜19世紀の歴史的な建物が残っています。
19世紀には、隣のモントルーとともに世界の王侯貴族や芸術家に愛されたリゾートとしても発展しました。
彼らが滞在した由緒あるホテル『オテル・デ・トロワ・クーロンヌ Hôtel des Trois Couronnes 』など、有名人ゆかりの地を訪ね歩いてみてもよいでしょう。
ヴヴェイ郊外に家を建て、晩年を過ごしたチャップリンはとくに有名で、湖畔には彼の銅像もあります。
よく手入れされた花壇が美しいレマン湖沿いの遊歩道や葡萄畑の間を縫うようにつくられた小道での散策や、船でレマン湖クルーズなどもおすすめ。
レ・プレイヤード Les Pléiades、モンペルラン Mont-Pèlerinなどの小高い山に上れば、湖とアルプスの眺望が楽しめるほか、5月頃なら可憐なナルシス(水仙の一種)の花をみることもできます。
モントルー
“スイスのリヴィエラ”といわれるレマン湖畔にあり、優美なホテルやカジノが建ち並ぶエレガントな雰囲気の町。
隣のヴヴェイとともに、昔も今も多くのセレブに愛されるリゾートとして知られています。
ベルエポックの時代には、オリエント・エクスプレスが走り、王侯貴族たちが集った華やかな歴史を誇り、古くからホテル産業が発展していきました。
今も、『ル・モントルーパレス Raffles Le Montreux Palace』に代表されるような由緒あるホテルが残っています。
モントルー郊外にあるシヨン城、周囲に広がる葡萄畑、レマン湖とアルプスの山並みが織り成す美しい風景は、多くの芸術家をも魅了してきました。
ルソー、バイロン、ヘミングウェイなど文人たちがこの地を舞台に小説を書きあげ、ストラヴィンスキーからフレディ・マーキュリーまで音楽家たちが数々の名曲を生み出しています。
毎年、夏に開催されるジャズフェスティバルも世界的に有名です。
モントルーから少しのぼった一帯では、5月頃に可憐なナルシス(水仙の一種)の花々をみることができます。
レマン湖の湖船クルーズや雄大なパノラマビューが広がるロッシェ・ドゥ・ネ Rochers-de-Nayeへ上ってみるのもよいでしょう。
シオン
ローヌ谷にあるヴァレー(ヴァリス)州の州都。
丘の上にそびえる2つの古城が印象的です。
12/13世紀に建てられた寺院でもあるヴァレール城は州の歴史博物館になっています。
貴重な展示資料のほか、教会にある15世紀の演奏可能な世界最古の木製パイプオルガンは必見。
石畳の小道が続く旧市街には、市庁舎や教会、古い塔、邸宅など、中世の美しい建物も残っています。
山の斜面にモザイクのような葡萄畑が連なるスイス屈指のワイン産地でもあります。
南にのびるエレマンス谷やエラン谷 、北のクラン・モンタナへ向かうポストバスの発着地。小さな空港があるので、小型飛行機やヘリでの移動や周遊旅行も可能です。
ツェルマット
名峰マッターホルンを抱くツェルマットはアルプス観光の王道です。
環境に配慮したガソリン車乗り入れ禁止のリゾートで、静かな環境と清らかな空気が保たれています。
村内の交通は電気自動車または馬車でカバーされています。
4000メートル級の名山に取り囲まれており、1年を通じて、雄大なアルプスの山々や氷河を存分に満喫できるでしょう。
ゴルナーグラートやロートホルン、スネガ、クライン・マッターホルンなどの絶景自慢の展望台へはケーブルや登山鉄道で、簡単にアクセスできます。
約400キロメートルに及ぶコースがそろった多彩なハイキングやスキーが人気。
ブリーク
交通の要所として有名なシンプロン峠の入口で、古くから商業で栄えた町。
今も南はシンプロン・トンネルでイタリアへ、北はレッチベルク・トンネルでベルンからドイツ、西はレマン湖方面からフランスへ結ぶヨーロッパの交差点で、ツェルマットやサースフェーへ結ぶ鉄道やポストバスの起点でもあります。
玉葱形の屋根を冠した塔が印象的な城は、かつて塩の専売交易で財を成した実業家シュトックアルパーの邸宅。
周辺には古い街並の雰囲気も残っています。
トゥーン
トゥーン湖から流れるアーレ河畔に位置する美しい町。
先史時代に遡る歴史を誇りますが、12世紀にベルンの町をつくったツェーリンゲン公により高台の城と町が築かれ、中世都市として発展していきました。
16世紀の市庁舎のある広場やそこから続く上下2段になった道など、往時の面影が今も旧市街に残されています。
歴史博物館になっているトゥーン城や、湖畔に佇む20世紀の折衷建築が印象的なシャダウ城などの名城めぐりも楽しみです。
シュピーツ
丘陵に葡萄畑が広がるトゥーン湖畔の小さな町。
10/11世紀頃まで遡ると考えられるシュピーツ城には、現存する最古の部分となる12世紀頃の見張り塔や13〜18世紀の部屋があり、現在、内部を博物館として一般公開しています。
夏期にはコンサートなどのイベントが開催されるほか、グルメレストランもオープン。
パウル・クレーが感銘を受けたというニーセン山や奥に連なるアルプスを眺めながら湖岸を散策してみましょう。
インターラケン
12世紀に修道院とともにつくられ、19世紀の英国人を中心とした山岳観光ブームで発展した有名な町。
“湖の間”という地名の通り、トゥーン湖とブリエンツ湖に挟まれており、ユングフラウ地方への玄関口として世界的に広く知られています。
東(Ost)と西(West)にわかれた2つの駅の間を、20分ほどで歩けてしまうメインストリートが結んでいます。
高い山々に囲まれた谷間の山里でありながらも、高級ホテルやカジノなどが並ぶエレガントな雰囲気のリゾートです。
また、隣接するウンターゼーン Unterseenは、13世紀にハプスブルク家によってつくられた村で、歴史的な街並が残されています。
グリンデルワルト
ルツェルン
ツーク
山々に囲まれたツーク湖の北東に位置するツーク州の州都。
近代的な駅前から湖畔へ下りていくと、13世紀初めにキーブール伯が築いた美しい中世の町が残されています。
13〜16世紀の時計塔、13世紀の礼拝堂、16世紀の火薬庫、後期ゴシック様式の15世紀の教会や16世紀の市庁舎などの歴史的な建物とレストランやショップが点在する旧市街を散策してみましょう。
一帯はサクランボを中心とした果樹園が多く、とくにキルシュ Kirsch(チェリーブランデー)の産地としても有名です。
お酒をたっぷりしみこませた「ツーガーキルシュトルテ Zuger Kirschtorte」は、芳醇な味わいで人気の名菓。
桜の花が開花する春もおすすめです。
近郊には、スイスで最初に一般にオープンした「バール洞窟 Höllgrotten Baar」などもあります。
ヴィンタートゥーア
19世紀にはチューリヒと並ぶ経済の中心地として機械工業や銀行などの産業が発展したスイス屈指の都市でありながら、中世からキーブルク、ハプスブルク家の重要な拠点として栄えた歴史の面影が旧市街の随所に残されています。
豊かな財力をもつ資産家たちが芸術の花を咲かせた文化の都で、約600点の世界的な名画を所蔵する「オスカーラインハルト・コレクション」や写真美術館など、質の高いミュージアムが集まっていることでも有名です。
ザンクトガレン
チューリヒから東へ約1時間。
ボーデン湖に近い歴史的な町は、東スイス地方の中心都市でザンクト・ガレン州の州都です。
8世紀に建てられた修道院は中世ヨーロッパで学芸の総本山として隆盛を極めました。
現在は修道院としての機能はありませんが、バロック建築の傑作といわれる大聖堂や教会、美しい広間が印象的な図書館、世界最古の建築設計図や約15万冊を誇る貴重な蔵書で世界遺産に認定されています。
そのほか、中世の窓や看板が残る旧市街や、繊維産業で栄えた歴史を伝える織物・繊維博物館なども見どころのひとつです。
クール
約5000年の歴史を誇りスイス最古の町ともいわれるグラウビュンデン州の州都。
ケルトの集落からローマに統治され、その後は司教領として栄えてきました。
今でもカテドラル(大聖堂)を中心として豊かな文化遺産や史跡が数多く点在しています。
中世の町並みをそのまま残す旧市街は城壁に囲まれた自動車の入れない歩行者天国。
5〜10月の毎土曜日には周辺の山々から特産品を持ち寄って素朴な市場が開かれます。
若者が集まるトレンディスポットも多いクールは、約500軒の個性的な店舗のあるスイス屈指のショッピング天国です。
また数々のポストバス路線や氷河特急、ベルニナ特急など絶景自慢の鉄道路線の発着点としても有名。
多くの人が周辺の小さな村やマウンテンリゾートへのエクスカーションを楽しんでいます。