今日は、ドイツ最東端の街ゲルリッツへ向かう。
途中のバート・ムスカウという、ちっちゃな街に立ち寄ることにした。
この街には、世界遺産ムスカウ公園がある。
ムスカウ公園は、ドイツとポーランドの国境を流れるナイセ川の両側に広がる、二つの国にまたがる景観式庭園です。
景観式庭園とは、ヨーロッパの作庭技法のなかのひとつで、土地のなだらかな起伏を利用し、あたかも自然の景色であるかのように設計された庭園のことを言います。ポーランド、ドイツ両国で世界遺産に登録されているムジャクフ(ムスカウ)公園はこの景観式庭園としてはヨーロッパで一番規模が大きいことで知られています。その総面積は700ヘクタール以上で、約500ヘクタールがポーランド側にあります。
この見事な庭園を造ったのは19世紀前半に英国庭園の美に感銘を受けたヘルマン・ピュックラー=ムスカウ侯爵。
自らも作庭家であったムスカウ侯爵は、自然美を生かした英国庭園を模した庭園を領地の中に造ることにしました。
工事は1815年から45年まで続きましたが、やがて資金繰りが付かなくなったために庭園の所有者は次々と変わったそうです。
起伏の富んだ土地を上手に利用した公園内には草花や木を生かした庭園に囲まれた住居用の建築物群があります。
まるで絵のような効果を出すために、人工の支流を川から掘って水を流すという一風変わったアイデアも取り入れられています。
建物の一部は、有名な建築家カルル・フリードリヒ・シンケルが手がけたもの。他にも画家のアウグスト・シルマーやイギリス人庭園設計家ジョン・エイディー・レプトンなどもこの一大プロジェクトに協力していました。
ムスカウ侯爵が手放した後も、フレデリク・ニデルランツキ公爵など代々の所有者は、庭園の当初の構成を保存しつづけ、さらにムスカウ侯爵の志を生かした補修を行いながら管理を続けました。
<公園内を流れるナイセ川に架かる橋が国境>
第二次世界大戦後、新たな国境線によってこの公園は分断されましたが、1980年代からはドイツとポーランドの間で再評価プログラムの対象となりました。
文化・景観の保護と保存のために二つの国家が協力するのは、ヨーロッパでは初めてのことでした。
そしてそれが世界遺産への登録という素晴らしい結果を生んだのです。
さて、公園内を散策しましょう!
ポーランドとの国境の橋を渡り、少しポーランド側を散策し、再びドイツ側に戻ってきました。
あそこに見える「新城」の上まで登れるらしい。
池をグルッとまわって正面へ。
一階にある売店でチケットを購入(2ユーロ)し、エレベーターと階段で登ります。
展望台からの眺め。
昔の馬車置き場、馬小屋、使用人の住居。
その建物を利用して、内部は有料トイレ、貸し自転車屋、陶器の店があります。
写真のおじさんは、陶器店の陶芸家。九州に陶芸留学の経験もあり、日本語も話せます。
バート・ムスカウを後にして、ヴァイスヴァッサーで昼食。
昔はガラス工芸で栄えた街ヴァイスヴァッサーだが、今は何もない街でした。
ヴァイスヴァッサーの駅。
旧東ドイツの駅らしく、中はガランとしています。