“Vedi Napoli e poi muori!”「ナポリを見て死ね」
この名言を耳にしたことのある人も多いと思うが・・・
この名言を耳にしたことのある人も多いと思うが・・・
T君がナポリの駅からホテルへ戻ろうと、駅前の露店がいっぱい出ている場所を通った時、見知らぬナポリ人に声をかけられた。
ナポリ人は、新品の箱に入ったデジタルカメラを見せ、「これを120ユーロで買わないか?」とT君へ持ちかけてきた。
T君が箱の中身を確認すると、新品のカメラ本体・充電器・メモリーカード・USBケーブル・取説と全て揃っている。
しかし、T君は自分のデジカメを持っているので断った。
するとナポリ人は値段をどんどん下げ、最終的には50ユーロまで安くなった。最初に提示してきた金額の半額以下である。
T君は「50ユーロならいいか」と思い交渉に応じる事に。
デジカメの箱を持ちやすいように紙袋に入れ、紙袋の口を結び商品を渡すナポリ人。
商品を受け取りお金を払う直前に、T君は「もう一度中身を確認したい」と紙袋を開けようとした。
するとナポリ人は紙袋を奪い取り、自分で紙袋の口を解き、中からデジカメの箱を出し、フタを開け、中身を確認させてくれた。
中身は、先ほど確認した新品のカメラ本体・充電器・メモリーカード・USBケーブル・取説が入っている。
再度、T君の目の前でデジカメの箱を閉じ、紙袋に入れ、紙袋の口を結び、お金と引き換えに紙袋を渡すナポリ人。
とてもお得な買い物をしたT君。何度も「Grazie!(ありがとう)、Grazie!(ありがとう)」と伝え、にこやかに別れる2人。
ホテルへ戻り、早速紙袋の口を解き、中からデジカメの箱を出し、フタを開けてみると、
何と!?
中から出てきたのは、ペットボトルに入った水だった!!
「・・・。」(唖然とするT君)
「・・・。」(呆然とするT君)
「・・・。」(愕然とするT君)
人間は、本当にショックな事や思いもよらない事が起きた時には、自分の精神が崩壊しないように一時的に脳の機能を停止させる(自我防衛機制:正確には否認denial)というが、まさにこの時のT君の脳は、一瞬フリーズしたに違いない。
そして、崩れ落ちるT君の目に飛び込んできた、壁に貼られたポスターにはこう書いてあった。
最近、ナポリを中心にイタリア全土で被害の報告があるのが、このデジカメや携帯の詐欺事件。
ポイントは、そのまま商品を渡さず、紙袋等に入れて口を結ぶ点です。
つまり、商品を受け取った人が、すぐに中身を確認できないようにしているのです。
目の前で商品を確認し、目の前で紙袋等に入れ、何の怪しい行動もなく、重さの違いでバレないように中身(水や石)の重さも同じにされていたら、まず普通の人は引っかかってしまうでしょう。
Mrマリックとまではいかなくても、マギー司郎の手品位は見抜けるような目を持っていない方は十分に注意しましょう。