なぁ~んて思ってる方も多いのではないででしょうか。何も知らなかった昔は、ロビンもそう思っていました。しかし、各旅行会社ごとにいろいろ違いがあるんですよ。
世界中を旅しているロビンですが、過去に何度もパックツアーを利用している。
えっ!?と思わないで下さい。
旅行先・旅行期間・旅行人数・旅行目的etcによっては、今でもパックツアーを使ってますよ。
「パックツアーで行くのは旅ではない!」「パックツアーを利用する人は、海外旅行初心者だ!」などと、意味不明なことを言う人もいますが、ロビンは決してそうは思いません。
世の中に、 個人旅行 > パックツアー なんて公式は存在しないのですから。
むしろ、パックツアーの方が、個人旅行者よりも多くの国を訪れている方(最多は185カ国って人もいた)や、南極点(南極は珍しくないけど、南極点はすごい)に行った方などもいらっしゃったりします。
また、普通の個人旅行では行かない(行けない)場所の観光が入っていたり、個人旅行では経験できないことできたりするので、意外とお得だったりもします。
確かに若い方の参加者は少ないですが、人生の先輩方の話を聞くのも楽しいものですよ。
ようは、旅行の行き先・目的・期間・スタイル、自分の力量・性格、同行人数等によって使い分ければよいのです。
そこで、ロビンが実際にツアーに参加した経験を元に、旅行業界の知り合いに聞いた内部情報・裏話も含めて説明したいと思う。
パックツアーを選ぶための基礎知識
旅行に限らず、世の中には相場というものが存在します。
その相場よりも極端に安ければ、それは何かしら「安い理由」が存在するのです。
「新宿駅 徒歩2分 2LDK マンション 45000円」の物件があれば、皆さんも何かしらあるな?と考えますよね。
旅行も同じです。
まず、ヨーロッパ旅行はお金をかければかけただけ良くなるという前提がある。という事は、安ければ安いほどみじめな旅行になるということ。これが、アジアや中南米、アフリカ、中東になると、お金をかけてもそれほど差はなくなるのだが・・・。
では、皆さんはパックツアーの相場をご存知だろうか?
ステキなヨーロッパ旅行をしようと思ったら、まずは高級ツアーの旅行会社のパンフレットを見てみよう。
平均以上のホテル、平均以上の食事、平均以上の内容を求めるなら、このパックツアーの料金が目安となるぞ。
ヨーロッパなら、10日間で50~80万円位でしょうか。
この金額は、ステキなヨーロッパ旅行をしようと思ったら、高くも安くもない一般的な金額です。
一方、格安パッケージツアーの場合、20~50万円位でしょう。
この金額では、ホテルの立地や質、食事の味、飛行機の乗り継ぎ等について文句を言ってはダメだ!だって、だから安いんですから。
例えば、夏の時期に20万円でイタリア10日間のツアーがある。
もちろん航空運賃込みでこの価格。
航空券が10万としよう。残り10万円で、ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマ、ナポリを観光することになる。
もちろん、ホテル・食事代も含めてですよ。
単純計算で、1日10000円の予算。
昼1000円+夜1500円=食事代2500円。
交通費2000円。
観光代2000円。
ホテル代3500円。
普通に考えて、これで優雅なヨーロッパ旅行ができるだろうか?
このように、高いパッケージツアーには高いなりの理由が、逆に格安パッケージツアーは安いなりの理由があるのだ。
本当に料金によって、それほどまでツアー内容って違うものなのでしょうか?
たぶん一般の方は、料金の差なんて「どこの航空会社を使うのか」「直行便/乗り継ぎ便か」この程度でしょ?くらいにしか考えていないのかもしれない。
実際は、様々な項目が違うのです。
【すぐに思いつく項目】
高級ツアー | 格安ツアー | |
---|---|---|
航空会社 |
できるだけ直行便 日系も多い |
基本的には経由便 たまにアジア系もある |
ホテルの質/立地 | 平均4つ星/町の中心 | 平均3つ星/郊外 |
食事 | その国の美味しい名物料理 | 名物料理もでるが不味い |
催行人数 | 少ない(平均18名) | 多い(30名前後) |
【意外と思いつかない項目】
高級ツアー | 格安ツアー | |
---|---|---|
観光箇所 | 全て入場観光 | 下車観光も多い (OPが設定されてる場合もある) |
添乗員 | 質が高い (最悪なのはいない) |
人による (最悪なのもいる) |
お土産屋 | 寄らない | 各街ごとに寄る |
イヤホンガイド | 全コース付き | コースによる |
「ふ~ん、この程度の違いだったら、格安ツアーでも我慢できるわ。」と思ったあなた。
ほとんどの方が、参加する前はそう思うんです。
ロビンもそうでした。
でもね、実際に参加してみると、これが意外に我慢できないんだな。
しかも、一度高級ツアーを知ってしまうと、ある一部のコース以外の格安ツアーに参加しようなんて気は二度と起こらない・・・。
あなたは本当に我慢できますか?
オバちゃん達のトイレ渋滞のせいで・・・
例えば催行人数。
格安ツアーでは35名を超える時もある。
最近のツアー参加者は中年女性(もしくはそれ以上)が多い。
仮に25名が女性、10名が男性だったとしよう。
移動時間が長い場合、約2時間おきにトイレ休憩がある。
高速のSA(サービスエリア)やGS(ガソリンスタンド)などに寄ることが多いが、小さなSAやGSの場合はトイレの数が少ない。
そうなると、女性陣のトイレ待ちだけでもかなりの時間ロスになる。
レストランの場合も同じだ。
レストランのトイレも数が少ない。
食事中から時間をズラしてトイレを利用すれば良いのに、オバちゃん達はそんなことにまで頭がまわらない。
デザートが終ってからトイレに集中!結局は出発が遅れる。ここでも時間のロス。
こうしてロスした時間は、観光時間にシワ寄せがくる。
なぜなら、ヨーロッパのバス運転手の拘束時間は法律で厳しく制限されているので、スケジュールの後ろ倒しができないのだ。
ただでさえ格安ツアーは日程がキツキツで観光時間は少ないにも関わらず、必ずお土産屋に40分間は軟禁される。
楽しみにしていた観光地。結局は10分ほど街を歩き、そのままお土産屋へ直行。そして次の街へ移動。なーんて事も現実に起こりえるのです。
オバちゃん達のトイレ渋滞のせいで、貴重な観光時間が削られてしまう・・・。
でも怒っちゃダメですよ。だって、だから安いんですから。参加する前から想像できることでしょ。
催行人数は、結構重要なチェックポイントなのです。
どんだけ、お土産屋さんが大事なの!?
貴重な観光時間にも関わらず、必ずお土産屋さんに連れて行かれる。そこで40分の軟禁が待っているのだ。
これは、格安ツアーに参加するのであれば我慢しなければならない。
だって、そのお店にグループを連れて行けば、一人当たり500円~1500円のコミッションが旅行会社に入る。
さらに、購入金額の10~20%の売り上げコミッションも発生するのだ。
例)35人のツアーの場合。
35×1000円=35000円 (一人当たりのコミッション)
175000円(売り上げ総額)×20%=35000円
計70000円
旅行中に4軒寄るとすると、70000円×4軒=280000円が旅行会社のコミッションとなるのだ。
ここで、「旅行会社のボッタクリめ!!」なんて勘違いしてはいけない。
実は、予めこのコミッションをみこして、その分ツアー料金を安く設定しているのですから。つまり、ツアー中にお土産屋に寄らなければ赤字になってしまうということだ。
ということで、「観光時間よりお土産屋にいる時間の方が長いなんてありえない!!」などと怒ってはいけない。
だって、お土産屋に寄りませんというツアーもあるのに、そっちは値段が高いからと言って、お土産屋に寄りますという格安ツアーを申し込んだのはあなた自身でしょ!
お土産屋に連れて行かれても、押し売りみたいに無理やり買わされることはないので、そこだけはご安心ください。
また、「○○を格安5ユーロで購入した!」なんて自慢話をたま~に聞きます。
これは、自分の恥をさらすようなものですからやめましょう。
それは間違いなくニセモノです。
普通に考えてください。ヴィトンの財布を、道端の黒人が5000円で売っていたら・・・。
100%ニセモノですよね。買う人は、ニセモノと認識して買っています。
なのに、なぜ「サフラン」を1g=5ユーロで買うのでしょう??
サフランは、量が採れないから貴重であり、だから高価なんですよ。1g=5ユーロなんてありえないのです!
このような相場観や、本物とニセモノを見分ける目をお持ちでない方は、多少高くても旅行会社に連れて行かれたお土産屋で購入することをオススメします。
旅行会社が連れて行くお店なら、帰国後のアフターケアまで旅行会社が行いますので、ニセモノ等は扱っていないから安心ですので。
帰国日のフライトは午後便。やったぁー!午前中 得した!!と思ったら・・・
帰国便が午前便なのか午後便なのか、意外と重要な要素だ。
午後便であれば、午前中を利用して観光・買い物もできる。
しかし、格安ツアーのホテルは郊外が多い。
地下鉄等の駅が近くにあれば良いが、何にもない(地下鉄・バス等)こともある。
せっかくの午後便なのに、出発までホテルで待機。もし、チェックアウトの時間を過ぎる場合はロビーで待機。
だったら、午前便で早く日本に帰った方がいいなぁ・・・。
でも怒っちゃダメですよ。だって、だから安いんですから。ホテルの立地なんて、申し込みする前から分かってるでしょ。
せっかくのガイドさんの説明が聞こえな~い
観光地や美術館内でのガイドさんの説明。
個人旅行よりもパックツアーの方が良い、一番の点はこれだ。
しかし、ガイドさんは大声では説明しない。
美術館内などでは、声が反響してしまいほとんど聞き取れない。
ガイドさんにくっついていたら、なかなか気に入った写真も撮れない。
もぉぉぉぉぉぉぉ!!!と怒ってはダメですよ。
だって、だから安いんですから。
私が参加する際に真っ先にチェックするポイントは、イヤホンガイドが付いてるかどうかです。
イヤホンガイドがあれば、ガイドさんの説明も聞き逃すことがありませんからね。
皆さん、よ~く理解できましたか??本当ですか?
特にヨーロッパのツアーは、ツアー代と内容はしっかりと比例しているのです。
安くて良いものは、特にヨーロッパにはありませんよ。
「安かろう悪かろう」が当たり前の格安ツアーですが、値段以上に内容が充実しているコースがあるのです。
ではいよいよ、どこの旅行会社のパックツアーが良いのか、詳しく説明していきましょう。
賢いパックツアーの選び方
パックツアーを選ぶ前に、まずは各旅行会社の特徴・カラーについて説明しよう。
各旅行会社ごとにいろいろなカラーがあるので、それを大まかに分類してみました。
大手旅行会社
皆さんも耳にしたことのある旅行会社です。
様々な国の格安ツアーから高級ツアーまで、幅広く扱っています。
この分類に入っている旅行会社は、どこも同じような感じです。
ただし、ツアー内容は全然違うので、しっかり吟味しましょう。
<ロビンのアドバイス>
ロビンは、この中では阪急交通社をよく使います。
JTB
やはり、ブランド力はNo1。
ルックなら、それなりの内容で楽しめます。しかし、旅物語は・・・。陰では「安物語」と呼ばれてます。しかも、所詮、安い旅物語のツアーなのに、「JTB=内容が良い」と勘違いしている客が多いのが・・・。
阪急交通社
メディア系で一人勝ちしていた旅行会社。格安ツアー(添乗員付き)のパイオニア的な存在。
「安かろう悪かろう」の見本との悪口も聞かれます。確かに最悪のコースもありますが、一部のコースはおすすめ!
HIS
ご存知、旅行業界の革命児的な存在。
Ciaoなら使う時もあるけど、さすがにインプレッソ(添乗員付き)には恥ずかしくて参加できない。だって、格安を売りにしている旅行会社ですよ。「私は貧乏です!」って大声で宣言してるみたいじゃないですか・・・。学生や20代ならいいが、30代以上でインプレッソのツアーに参加している人を見かけると惨めだ。
もっと最悪なのは、Ciaoに参加しながらビジネスクラスとか使っている人。ビジネスクラスを使うんだったら、ワールドやルック、クリスタルのコースに参加して欲しいな。
日本旅行
実は、ロビンは一度も使ったことのない会社。ん~、どうなんでしょうね?
高級ツアー
ここは、俗に「高級ツアー」と呼ばれるツアーを催行している会社です。
皆さんがイメージするヨーロッパ旅行をしようと思ったら、ここに分類される旅行会社のツアーはオススメです。
ハネムーンやフルムーン、何か特別なお祝いの旅行に使いましょう。ロビンもたまに利用します。
ワールド航空サービス
高級ツアーでは、一人勝ちしている旅行会社。
8割はリピーター。つまり、それだけ満足度が高いということだ。いいホテル、いい食事、いい観光内容、いいガイド・・・、とにかく、全てが良い。
ツアー内容も面白いし、料金がもう少し安くなってくれるとありがたい。
<裏話>
2008年の秋、ツアー中(マレーシア)のバス事故でお客さんが1名亡くなった。そんな事故はどこの旅行会社でもあることですが、その後の対応がこの会社は素晴らしかった。
同じような事故が連続したら、この程度の規模の旅行会社にとっては致命傷となる。そこで、冬のツアーは、主任・課長・部長級の方々が添乗したのだ。12月の成田では、そうそうたるメンバーの顔を見ることが出来たそうだ。
ちなみに、元ワールド社員が起こした中小の旅行会社も多い。
グローバルユースビューロー
ここも高級ツアーの会社として有名。特に、音楽(オペラ、コンサート等)に関するツアーは定評がある。
もちろん、オペラ鑑賞の座席等も申し分ない。優雅なひと時を堪能したいかた向き。
<裏話>
社長が元気!
中国の長寿村に視察で行ったらしく、そこのツアーを作りたいと熱く語っていた。(09年4月)
ニッコウトラベル
ここは、おじいちゃん、おばあちゃん向けの旅行会社。
毎日ホテルに到着するのは、3時か4時とめちゃくちゃ早いし、連泊も多い。とにかく高齢者が参加するので、お客の体力的なことを考えたプログラム内容なのだ。
ツアーの内容や客の質はとても良いので、自分の祖父母へ旅行をプレゼントする時はいつもここにしている。
<裏話>
ここの差し入れは、「おかゆ」だ。
旅の中間あたりで、添乗員がホテルのキッチンを借りて調理しているのをよく見かける。お腹にやさしく、お客の年齢層を考えてのことだろう。
秘境系
秘境に強い旅行会社です。
大手の旅行会社と比べると料金は高いが、じっくり内容をみれば納得。ここのツアーに参加する人は、いくつになっても本当に「旅」が好きな人達。
個人で手配するのは面倒な地域、旅行期間が短い時、一人ではない時etc、ロビンはよくお世話になっている。
こういう旅行会社のツアーに参加したこともない人が、「パックツアーはあーだこーだ」と言ってるのを耳にすると非常に腹が立つ。
お前よりも多くの国に行ってる人もいるよ!お前より秘境に行ってる人もいるよ!貧乏人がひがむなよ!!と言ってやりたい。
ただし、こういうマニアックなツアーに参加する人は個性が強い(クセがある)ので、繊細な性格の人には向いていない。
ロビンは、暇なときにここのパンフレットを眺めて、次の旅行の計画を立てたりもする。
ユーラシア旅行社
秘境系の中では、最も大きな会社。
ツアー中に、添乗員がそうめんを作って差し入れしてくれることでも有名。初めて秘境系のツアーに参加するのであれば、まずはここのツアーからデビューしよう。
<裏話>
元ワールドの社員が起こした会社。
西遊旅行
秘境系の旅行会社と言えばここでしょ。
シルクロード方面のツアーは、本当に内容が良いことで定評がある。客はクセのある人が多いが、一度は利用してもらいたい旅行会社だ。
日本橋トラベラーズクラブ
小さいながら、コース内容は面白い。
また、集合写真を名前付きで無料プレゼントしてくれたり、お礼も兼ねて、帰国当日に自宅へ無事に帰宅したかの電話をくれたり、もちろん旅日記も後日送付してくれる。
催行人数が少ないので(10名以内でも催行)、値段の高さには目をつぶろう。ここのコース内容をパクって個人旅行したこともある。
<裏話>
元ワールドのカリスマ添乗員・○鳥氏が起こした会社。その後、イケメン元上司を迎え入れ社名を変更。
旅のデザインルーム
略して旅デザ。ここも面白いコースが豊富。
下記はHPより抜粋。
”「贅沢な滞在」や「至れり尽くせりのサービス」ではなく、「観光内容」や「日程」に主眼を置いています。「観光内容にはこだわるが一回当たりの費用を抑えて何度も海外旅行に出たい」と考える旅好きの皆様のニーズに応えるため、豪華でなくとも不備なく気持ちよく、充実した観光をお楽しみいただけるよう企画・手配しています。”
トラベル世界
ここは、評判が分かれる。「トラブル世界」と陰で呼ぶ人も多い。
まっ、もともと「トラベル(旅行)」の語源は、「トラブル」ですからね。
何かトラブルがあっても、それを楽しむだけの心の余裕が必要だよ。
ロビンのおすすめパッケージツアー
友人の現役添乗員に聞いた、『実際に添乗してみて、家族にもすすめたいツアー』を特別にご紹介しております。
また、オススメの航空会社やオススメしない航空会社、失敗しないツアーの選び方、ツアー内容を自分流にアレンジする方法など、世界中を飛びまわる現役の添乗員だからこそ知っている内容盛りだくさんです!