11月15日11時9分配信 毎日新聞
【ベルリン小谷守彦】ドイツで14日、鉄道運転士らを中心とする職域労組が62時間の時限ストに突入した。ドイツ鉄道によると、国内史上最大規模という。労組側は運転士給与の31%上乗せなどを強硬に求めており、妥協の糸口は見えていない。労使間の折り合いがつかない場合、労組側は無期限ストに入ると予告しており、影響の一層の拡大が懸念されている。
ストを主導しているのは運転士の7割以上を組織する「機関士労組(GDL)」。鉄道職員の大半が加盟する別の労組「トランスネット」は既に会社側との賃金交渉で妥結している。会社側はGDLとの交渉で強気の姿勢を崩しておらず、15日付有力紙の全面広告で「シェル氏(GDL委員長)よ、狂気のさたはやめなさい」とスト入りを非難した。
時限ストは17日午前2時までの予定。14日昼から貨物が運休し、15日未明から一部の特急などを除く乗客輸送が全国的に運休した。GDLは旧東独地域に組合員が多く、ベルリン周辺では9割の運行が停止するとみられている